ネタバレあり スター・ウォーズ 最後のジェダイ キリスト教との関連性 その2

この記事は映画「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」に関するネタバレを含みます。

 

この記事は「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」に登場するキリスト教との関連性についての二つ目の記事です。

 

よろしければ、一つ目の記事

 http://yukiotoko.hatenadiary.jp/entry/2017/12/30/034259

もご覧ください。

 

はじめに

前回の記事で私は

自分が映画を見て気がついたこと、

そして私が

きっと監督がキリスト教を意識して

演出したであろうと私が自信を持っていることだけを取り上げてお話しさせていただきました。

 

しかし今回は、私が気がついた事ではなく、アメリカの映画批評家の「最後のジェダイ」に関する、ある意見についてお話ししたいと思います。

 

「最後のジェダイ」と旧約聖書に登場するアブラハムの物語が似ているという意見

 アメリカのある映画批評家さんが、ルークが過去にベン(カイロ・レン)を寝ている間に刺し殺そうとしたシーンはアブラハムがイサクを神に捧げるために刺し殺そうとした、旧約聖書の物語を思い起こさせると、映画評論の中で書いていました。

 

似ているというには十分ではない

私は映画を見ている時にもルークがベン(カイロ・レン)を刺そうとしたシーンがアブラハムの物語に似ているとは思いませんでしたし、アメリカの批評家さんの記事を読んだ後もそうは思いません。ルークがベンを刺そうとした状況も動機も、アブラハムがイサクを神に捧げようとした物語と全く異なっているからです。

 

誤解されているアブラハムの物語

一般的にはアブラハムの物語というのは「神が、アブラハムがどれだけ神に従う人か試すために、大切な息子のイサクを捧げなさいと命令した。アブラハムは命令どおりに息子のイサクを捧げようとした」という部分だけが有名になっています。

 

この部分だけを聞くと、神様ってひどいと思うかもしれません。

 

しかし、この物語の最も重要な部分はその後の部分です。

 

神はアブラハムがイサクを殺してしまう前に、その子を殺してはいけないと伝え、イサクの代わりに捧げる羊を与えたのです。

 

アブラハムの物語はこの部分が最も重要なのです。

 

そして、この、神ご自身が身代わりの羊を準備したということが、イエス・キリストが人々の罪の身代わりとなられたというキリスト教の中心的メッセージに重なってくるのです。

 

ルークがベンを殺そうとするシーンはアブラハム的ではない

ルークはベンがフォースの暗黒面に堕ち、ルーク自身が愛するものの全てを破壊してしまうのを恐れて、その事を阻止するためにという非常に人間的な理由でベンを刺そうとします。それに対してアブラハムは神の命令に従うためにイサクを捧げようとしたわけで、全く人間的な動機からではありませんでした。

 

そういうわけで、私は

ルークがベンを殺そうとしたシーンはアブラハム的だと思いません。

それでももし、監督がそういう意図を持ってあのシーンを思いついたなら、アブラハムの物語は誤解されていると思う事をみなさんにお伝えしたいです。

 

終わりに

今回はアメリカの批評家さんが言っておられた、ルークがベンを刺そうとするシーンはアブラハムの物語を思い起こさせるという意見についてお話しさせていただきました。この記事が、皆さんがスター・ウォーズを見る上での楽しみを増やすこと、またアブラハムの物語をより深く理解するお役に立てれば幸いです。